外观
テイ・エス テック 7313
企業概要
テイ・エス テック(TS TECH CO., LTD.)は、本田技研工業(ホンダ)系列の大手自動車内装品メーカー。四輪車用シート、内装品、二輪車用シート・樹脂部品の開発・製造・販売を手がける。全世界のホンダ車の約6割にテイ・エス テック製シートが搭載されている。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 証券コード | 7313 |
| 市場 | 東証プライム |
| 業種 | 輸送用機器 |
| 設立 | 1960年 |
| 上場 | 2007年2月 |
| 本社 | 埼玉県朝霞市 |
| 従業員数 | 連結約2万人 |
| グローバル展開 | 13カ国、44法人 |
事業構成
売上構成は四輪事業が約94%、二輪事業が約2%、その他(医療機器材等)が約5%。地域別では海外比率が約85%を占める。
主要製品:
- 四輪車用シート(主力)
- 四輪車用ドアトリム・内装品
- 二輪車用シート
- 二輪車用樹脂部品
- 医療用機器材
投資指標(2026年3月時点)
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 株価 | 約1,770円 |
| 時価総額 | 約2,197億円 |
| PER(会社予想) | 約30倍 |
| PBR(実績) | 約0.67-0.71倍 |
| ROE(実績) | 2.73% |
| 自己資本比率 | 70.8% |
| 有利子負債 | 0円(実質無借金) |
| 配当利回り(予想) | 約5.07% |
| 1株配当(予想) | 90円(2026年3月期) |
| 連続増配年数 | 9期 |
| 最低投資額 | 約17.7万円(100株) |
| 優待取得最低額 | 約35.4万円(200株) |
配当推移
| 年度 | 1株配当(調整後) |
|---|---|
| 2017/03 | 35円 |
| 2018/03 | 40円 |
| 2019/03 | 42円 |
| 2020/03 | 43円 |
| 2021/03 | 45円 |
| 2022/03 | 54円 |
| 2023/03 | 63円 |
| 2024/03 | 73円 |
| 2025/03 | 83円 |
| 2026/03(予想) | 90円 |
配当方針はDOE(株主資本配当率)3.5%以上を目標とし、安定的・継続的な増配を志向。ただし2025年3月期の配当性向は117.4%に達しており、利益以上の配当を行っている状態。
業績動向
直近業績(2026年3月期 第3四半期)
- 売上収益:3,099億円(前年同期比 -8.7%)
- 営業利益:56億円(前年同期比 -50.3%)
- 主因:ホンダの減産影響、為替変動
通期予想(2026年3月期)
- 売上収益:4,300億円(前期比 -305億円)
- 営業利益:165億円(前期比 +1億円)
地域別概況
- 日本:安定した収益基盤
- 米州:収益体質改善が進むも、一時的に営業損失を計上。自動化設備導入・生産ロス改善を推進
- 中国:現地EVメーカー台頭による日系自動車メーカーの販売減で減収減益。ただし営業利益率は相対的に高水準
- アジア:ホンダの二輪車・四輪車需要に連動
競争優位性と強み
- ホンダとの強固な関係:売上の約9割がホンダグループ向け。長年の取引関係と技術的すり合わせにより、他社参入障壁が高い
- グローバル供給体制:13カ国44法人の生産拠点を持ち、ホンダの世界戦略に追随可能
- 財務健全性:自己資本比率70.8%、実質無借金経営。財務リスクは極めて低い
- 技術力:シートの安全技術・軽量化技術で品質評価が高い。J.D. Power の品質満足度調査で1位の実績あり
- 連続増配:9期連続増配は株主還元姿勢を示す
リスク要因
- 顧客集中リスク:売上の約9割をホンダに依存。ホンダの業績悪化・戦略変更が直接的に影響
- 利益低迷:売上は拡大傾向も、利益は減少トレンド。配当性向が100%を超えており、持続可能性に懸念
- EV化の影響:自動車業界のEV転換期において、EV市場の成長鈍化や新機種開発の後ろ倒しが事業に影響
- 中国市場リスク:現地EVメーカーの台頭で日系メーカーのシェアが低下。中国事業の収益悪化が続く可能性
- 為替リスク:海外売上比率85%と高く、円高局面では業績への下方圧力
アナリスト評価
直近のアナリストレーティングは概ねNeutral(中立)からUnderweight(弱気)。
| 証券会社 | レーティング | 目標株価 |
|---|---|---|
| SBI | 中立 | 1,900円 |
| モルガン・スタンレー | Under | 1,350円 |
| みずほ | 中立 | 1,900円 |
| JPモルガン | Under | 1,500円 |
| 野村 | Neutral | 1,900円 |
| 東海東京 | Neutral | 1,710円 |
株主優待制度
権利確定日は毎年3月31日。200株以上保有の株主が対象。保有株数と継続保有期間に応じたポイント制で、事業所所在地(栃木、埼玉、新潟、静岡、愛知、三重、熊本等)にゆかりのある食品ギフトと交換可能。1ポイント=概ね1円相当。
ポイント付与表(2026年3月末分~)
| 保有株数 | 1年未満 | 1年以上 | 3年以上 | 5年以上 |
|---|---|---|---|---|
| 200株以上 | 3,000pt | 4,000pt | 5,000pt | 6,000pt |
| 600株以上 | 7,000pt | 9,000pt | 11,000pt | 13,000pt |
| 1,000株以上 | 14,000pt | 17,000pt | 20,000pt | 23,000pt |
| 3,000株以上 | 24,000pt | 28,000pt | 32,000pt | 36,000pt |
2026年3月末基準日より制度変更:
- 100株保有者向けのQUOカード廃止
- 5年以上の長期保有区分を新設
- 3,000株以上の区分を新設
- 一部ポイント増額
交換可能な商品は、とちぎ和牛、松阪牛、うなぎ蒲焼き、クラウンメロンなど全国各地のグルメ品。寄付(交通遺児支援団体)も選択可能。
中期経営計画(第15次中期:2024/03~2026/03)
経営方針:「ESG経営の実現」
重点戦略:
- 北米収益体質のV字回復 → 自動化設備導入、生産ロス改善
- 中国事業戦略の再構築 → ローカルメーカー活用、現地メーカーからの商権獲得
- 新事業領域の開拓 → マルチ・スズキ向け供給拡大
- 次世代技術開発 → キャビンコーディネート機能の獲得
- 株主還元強化 → DOE 3.5%以上、安定増配の継続
2030年ビジョンに向けて、適正キャッシュ水準を設定し、余剰資金を成長投資と株主還元に戦略的に配分する方針。
投資判断のポイント
割安性:PBR 0.67倍は純資産に対して大幅なディスカウント。財務健全性は抜群。
配当魅力:利回り5%超、9期連続増配は魅力的。ただし配当性向が100%を大幅に超えており、業績が回復しなければ増配の持続性に疑問。
成長性:ホンダ依存度が高く、自動車業界の構造変化(EV化、中国市場変動)に伴うリスクが大きい。新規顧客(マルチ・スズキ等)の開拓が中長期の鍵。
総合:高配当・低PBRのバリュー銘柄として一定の投資妙味があるが、ホンダの業績と自動車業界のトレンドに大きく左右される。配当性向の高さは要注意。業績回復の兆しが見えるまでは慎重な姿勢が望ましい。
関連銘柄
- 本田技研工業 7267 - 最大の取引先
- トヨタ紡織 3116 - トヨタ系シートメーカー
- タチエス 7239 - 独立系シートメーカー
- 河西工業 7256 - 日産系内装品メーカー